かぶとたいぞうです。
株の世界には「利食い」という言葉があります。買った株が値上がりすれば売って、買った時と売った時の差額(利益)を得る(食う)という意味です。
短期株式投資をする人、株の売り買いで儲けようとする人の基本的な利益確定方法のようです。
利食いvs配当
買った株がいくら値上がりしても、売らなければ利益は確定しません。売ってはじめて利益が出るという考えです。もちろん間違ってはいませんが、株は黙って持っていても配当という利益が入ってくることを忘れてはなりません。
合計1000万円で取得した米国株を持っているとします。税引き前の配当率は5%だとします。
この米国株を黙って持っていれば、1年間で50万円の配当利益が得られます。米国株だと、約28%の税金が源泉徴収されるので手取りは約36万円です。確定申告で外国税は戻せるので、実質398,000程度は手元に残ります。
この株が仮に5%値上がりして、1050万円になったとしましょう。この時点で利食いすれば、買った時の株価との差が50万円なので、50万円儲かります。だたし、売買手数料として、1050万円の0.486%(SBI証券他)取られます。51000円です。残った449,000円に原則として20.315%の税金が課せられるので、手元に残る利益は357,785円となります。
1年で考えると、利食いより配当のほうがたくさん貰えます。
利食いを何回も、大きく行なえば儲かる?
もっとも1年間の間に利食いを何回もやれば、利食いのほうが儲かるかもしれません。また、5%なんていうチマチマした利食いではなく、10%、20%と利食いすればもっと儲かるでしょう。でも、ほんとうにそんなにうまくいくのでしょうか。
株が上がるか下がるかは誰にもわかりません。だから利食いがうまくいくとは限らないのです。
先の例では、1050万円で売った後、同じ株が1050万円以下で買い戻せるかどうか分かりません。買戻しができなければ、次の年から配当も入らなくなってしまい、大損です。
一方配当のほうは、ほぼ毎年確実に入ってきます。特に米国企業は株主を尊重していますから、よほどのことが無い限り配当が減ることはありません。
利食いは儲かりそうな感じがしますが、損をすることもあります。ギャンブルです。余裕資金の範囲内でやるなら、それもスリリングなことかもしれませんが、配当で老後生活を送ろうとしている人には向きません。
配当で生活しようとする人のスタンス
先日ある人と食事をしながら米国株に関して話しておりました。その人は「今のうちに米国株を売るべきだ。売って、利益を確定して、また下がったら買い戻せばいいのではないか」と言いました。
確かに理屈はそうです。特に今の米国株はバブルの様相を呈しています。昨年12月の最安値から一気に18%も上がっています(ダウ平均)。
その一方で長短金利の逆転やいくつかの経済指標が悪化しています。近い将来、米国株が急落もしくは暴落してもおかしくありません。
しかし、それらはみんな予想に過ぎません。もし、利食いをして一時的に儲かったとしても、それ以降、米国株がずっと上がり続けたらどうなるか。
買い戻すことができないまま、2年も3年も上がり続けたら、その間配当は一銭も入ってきません。利食いで一時的に儲けた利益以上の損失が発生する可能性もあるのです。
上がり下がりで一時的な利得を得ようと考えている人と、配当で生活しようと考えている人とでは、基本的な考え方がまったく異なります。
ちなみに、ハイテク株や成長株、流行株、新規公開株など、配当などぜんぜん出さず、値上がり益だけを目的にした株式投機(投資ではなく)の例は最初から話題にしていません。
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私は堅実企業へのバイ&ホールド
私は現在の株をホールドします。そしていつか米国株が値下がりした時に、「売れば良かったと」考えるのではなく、「また買い足す好機が訪れた」と思ってせっせと買い足します。
私は基本的にバイ&ホールドですから。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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