嫁と姑、長男の嫁、跡継ぎ、あととり、家督、家業、夫の親の面倒、そして親の介護、老老介護の問題

かぶとたいぞうです。

最近、ふと思いついたことを書きます。

嫁と姑、長男、跡取り、親の介護、そして家業などに関することです。

特に親が長生きして長男がリタイアした後も介護しなければならない問題に関しては、実際にその状態にある人にとっては切実だと思います。

どこから話を進めたら良いか迷いますが、思いつくことから順に話します。



昔見たアメリカ映画で

昔、あるアメリカの映画を見ていました。その映画には年寄りが自分の家で1人で暮らしている場面や、老人ホームで暮らしている場面が出てきました。

当時日本では、年寄りは自分の子供の家で面倒を見てもらっているケースが多かったので、日米のライフスタイルの違いを感じました。

でも、きっと将来は日本もアメリカのように、独居老人や施設に住む老人が増えるのではないかと感じました。当時はなぜそう思ったのか、明確な根拠はありませんでした。ただ日本は戦後一貫して米国の後追いをしているので、米国で一般的になったことは日本でも必ず何十年か後には起こると思っていました。

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現在の日本人の9割はサラリーマン

現在の日本人の9割はサラリーマンです。

しかし、江戸時代は日本の全世帯の9割が農家でした。第二次世界大戦が終わった1945年の統計でも農業人口は就労人口の50%近くあり、職業人口としては農業がダントツの1位でした。



昔は9割が農家だった

北海道は特に農業が盛んで、高度経済成長が真っ只中の1960年代でも農家はけっこうありました。我が家も北海道の開拓移民で農業に従事していました。

農業は人手が必要です。家族、兄弟、親戚、いとこなどが一緒に暮らし、大家族で生活をします。

農家は大家族

子供も立派な担い手です。子をたくさん生み育てるのが立派な母親でした。年寄りも経験を活かして子を補佐し、動けなくなれば子守や炊事、留守番などをしました。

今はみんなスマホを持っていますが、昔は電話や電報、郵便小包などを受けとるための留守番が必要だったのです。留守番も立派な仕事でした。

ここまで話せば、察しの良い人は私が何を言おうとしているのかが分かると思います。



農家は家業、会社経営と同じ

昔は、家族が農家という家業を営み、親は会社で言うと社長だったのです。母親は専務のような存在です。長男は農地を継ぐ跡継ぎです。

農家の嫁にとって、夫の親は上司です。特に長男の嫁にとって夫の両親は先代経営者なのです。

昔は親の面倒を見るのが当たり前

嫁は上司や先代を大事にすることは当たり前なのです。功労者であり、家督を受け継いだのですから。

夫の親のおかげで生活ができるのですから、親が歳をとれば面倒を見るのは当たり前です。面倒を見ないなんて恩知らずです。

また、子守や留守番も大変助かるのです。



農家でなくても、家業を営む家族は同じ

今でも何か家業を営んでいる家は似たような感じだと思います。

親が会社の経営者、旅館やホテル、大きな飲食店などを経営していて、息子が跡継ぎなら、嫁は一緒に働くでしょう。そして働く現場が一緒なので、親と一緒に住むか、近所に住むでしょう。嫁にとって夫の親は先代であり、上司なのです。大事にして当たり前です。

今は親も子もサラリーマン

ところが現代ではほとんどの家がサラリーマンです。親もサラリーマンで、親と子の働く現場が違うから、一緒に住む合理性はありません。それぞれ通勤に便利なところに住みます。核家族です。

妻は夫の親と一緒に暮らそうとは思いません。一緒に暮らさなければならない理由はないし、一緒に暮せば、上司でもないのに、うるさいことを言われるので嫌です。



核家族

だいたい、夫の母親だって、しゅうとの親とは一緒に暮らさなかったのですから、自分だけそうする必要はないと思うはずです。

親の代から農家や家業を捨て、都会に出て気ままなサラリーマン生活をする核家族が増えたのです。

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老老介護と長男、長男の嫁

年寄りが長生きして老老介護が増えてきました。

介護する方も60歳代になり、体力も落ち、収入も衰えて、もうどうして良いか分かりません。

「お前は長男だから、親の面倒を見るのはあたりまえ」と言われます。言われなくても、世間からそんな目で見られます。



家督を継いだわけでもないのに「長男だから」と言われる

しかし長男と言われても、家業や土地・財産、家督を継いだわけではないのです。

農業でも、老舗旅館でも、商店でも、親から何らかの家業を引き継いだのであれば、その収入で親の面倒を見て、親にも簡単な仕事をしてもらいます。

ところが何の家業も引き継いでいないのに、あるいは何の財産も引き継ぐ予定がないのに、長男だからという理由だけで親の面倒を見るには限界があります。

収入も減って親の面倒を見れない

子もサラリーマンであり、定年で仕事もやめ、アルバイト程度の収入しかありません。わずかな年金も65歳まではもらえません。

5年くらいなら耐えるかもしれませんが、親は何年経っても死なないのです。特に長男の嫁の立場から見れば厄介なだけです。夫の母親の面倒が原因で離婚する夫婦も出てきます。

みんな親の介護で苦労しています。

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介護問題の根本の原因

問題の直接の原因は、みんながサラリーマンになってしまい、家業が無くなったことだと思います。また、間接的な原因は、にもかかわらず、未だに子が親の面倒を見るのがあたりまえだという風潮が残っていることだと思います。

親も親で、老後は息子が面倒を見てくれるものだと安心しきって、準備をしていません。

日米の違い

アメリカでは戦前から自動車工業などで働くサラリーマンが増え、とっくに自分の老後は自分で面倒を見るのが当たり前になったのです。年金もしっかりしています。

日本も2000年に介護保険が誕生し、40歳以上の現役世代にも保険料を負担させて、「お年寄りの介護は社会が行なう」のスローガンのもと、親の介護のために共倒れする子をなくすことにしました。

しかし実態は保険料ばかり年々上がって、社会が十分介護できていません。だから、今でも子供が大きな負担を強いられています。

いつまでも死なない年寄りが増え過ぎたのです。だから、どうやっても計算が成り立たないのです。



日本は世界一の長寿国で、「人生100年」時代を謳歌

日本は世界一の長寿国で、「人生100年」時代に入ったそうですが・・・

いや、これ以上語るのはやめておきましょう。暗くなるだけです。

みなさん、自分の老後は自分で備えましょう。自分で始末しましょう。

私が米国株長期投資を読者の皆さんにお勧めする真の理由はそこにあるのです。

ごきげんよう。


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“嫁と姑、長男の嫁、跡継ぎ、あととり、家督、家業、夫の親の面倒、そして親の介護、老老介護の問題” への2件の返信

  1. とっても良い記事です。
    私は30歳
    親は恐らく老後の蓄えがありません。
    話し合いもないです。
    これからもし子供を作ったら、親の老後どころか自分の老後にも手が回らない気がします。
    たぶとたいそう様の私見でもう少し突き詰めてノートに書いて頂きたいなと思う内容でした。
    先に公開されております年金の支給に関するノートにも関連する話題です。
    果たして私も年金は貰えるのでしょうか。
    人生100年時代ともなると、私の年金で親を賄うと言うこともありえる話ですね。

    • たくぴ様

      かぶとたいぞうです。
      コメントありがとうございます。

      思いつきで書いた記事でしたが、ご評価いただき恐縮です。

      noteにする予定はありませんでしたが、時間のある時に考えてみます。

      これからもご助言よろしくお願いします。

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