【米国株投資入門】ROEの意味と解説:長期投資家はなぜROEを重視するか

かぶとたいぞうです。

今日は米国株投資の初歩の初歩、ROE(自己資本利益率)について解説します。初心者向けになるべく簡単に説明しますので、上級者にはもの足りないかもしれません。

ROEはReturn On Equityの頭文字です。



Returnは「戻り」を意味します。ここでは投資に対する戻り、つまり利益のことです。

onは~の上という意味です。

そして、Equityとは自己資本(≒純資産)のことです。自己資本とは資本金と利益の蓄積である内部留保の合計です。別な言葉で言うと返済義務の無い会社の資本のことです。

会社を作ったばかりの時は、出資者(株主)が出し合った資本金=自己資本となります。



ROEは「自己資本でどれくらい利益を得たか」

ROEは「自己資本(借金は含めない)でどれくらい利益を得たか」を表す指標なのです。

例をあげて説明します。

経営者であるAさんとBさんがいるとします。

Aさんは資本金1千万円で会社を作り、年間100万円利益を出したとします。いっぽうBさんは資本金1億円で会社を作り、同じく年間100万円の利益を出したとします。

AさんもBさんも1年間で100万円の利益を出したのですが、Aさんの会社のROEは

100万円÷1000万円=10%

であるのに対し、Bさんの会社のROEは

100万円÷1億円=1%

です。

少ない資本で大きく儲けるのが優秀

どちらが成績優秀と言えるのか。

もちろんAさんです。

同じ100万円の利益を出すのに、Aさんなら1千万円の元手で足りたのに、Bさんは1億円も要したのです。

もしAさんに1億円を預けたら、Aさんなら1年間で1千万円の利益を出すかもしれません。

AさんかBさんのどちらかに出資するとしたらどちらを選ぶか。もちろんAさんです。

Aさんの会社に1千万円出資したら、その1千万円で100万円の利益が生まれるかもしれません。そのうちの半分を配当としてもらえば年50万円になります。配当率は5%です。

Bさんに1千万円投資しても、10万円の利益しか期待できません。その半分が配当なら5万円、わずか0.5%の配当率です。話になりません。



ROEで配当が予想できる

ちなみに利益のうち何%を配当に回すかを「配当性向」と言います。先の例では利益の半分を配当として出すので、「配当性向は50%」となります。

米国株の配当性向は、長期安定型の優良企業の場合60%とか90%くらいになります。時折100%を超える場合もあります。日本株の配当性向は米国株に比べるとうんと低いです。米国株長期投資をすすめるゆえんです。

ここまでの説明でもうお分かりですね。

ROEの高い会社の株を保有すれば、期待できる配当率が高いのです。それで長期投資家はまず最初に投資候補会社のROEを見るのです。

期待できる配当率を知りたいだけなら、最初から過去の配当率だけをチェックすればいいようにも思います。しかし、利益の伴わない無理な配当を続ける会社も時にはあります。そのような会社は今は配当率が良くても後に配当率が下がります。あるいは経営が破綻します。

それで、利益効率、経営の安定性、配当の可能性と合理性を総合的にチェックできるROEを重視するのです。

長期間のROEをチェック・分析

ROEは長期間の平均と最低をチェックしなければなりません。

私の投資銘柄選択基準では、最低5年間、できれば過去10年間のROEを見ます。そして平均して20%、最低のときでも10%を超えている会社でなければ投資対象とはしません。

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配当を狙った長期投資ではROEの高い会社を選ぶのが基本中の基本です。そのうえで、成長性や株価の割安感など他の要素を見ます。ROEの低い会社はそれ以外の要素を見ても意味がありません。



日本の中小企業のROE

ちなにみこのROE、日本の中小企業はどの程度の数値なのか。

私は中小企業診断士です。本業は経営コンサルタントです。いままで数多くの中小企業を分析・指導してきました。

日本の未公開(株式上場していない)企業のROEは極めて低いです。そもそも利益が出ていない中小企業が多いのでROEがマイナスの会社が圧倒的に多いです。

ROEがプラスでも、せいぜい5%程度あればいいほうです。特に中小零細企業は対銀行向けに申し訳程度にしか利益を出していませんので、ROEは極めて0に近いです。

例えば資本金1千万円、内部留保なしで自己資本合計1千万円の会社で、利益が10万円の場合、ROEは

10万円÷1000万円=1%です。この程度の中小企業がたくさんあります。

こんな会社に出資を求められたら断るのが一番です。

未公開企業には出資しない

そもそも上場していない会社は社長の胸先三寸で利益が変わります。利益が大きく出そうになれば、買いたかったものを買って利益を圧縮するのです。

たとえば利益が500万円出そうになると、急に奥さんや娘を社員にして給料を沢山出し、利益を10万円程度に調整することも可能です。実際にそのようなことを平気で行う社長が多いです。

だからよほどの理由が無い限り、未公開企業への出資はすすめません。特に日本の中小企業は投資先としては魅力がありません。どうしてもお金を出すなら社長への個人貸付にして、しっかり契約書も書いておくほうがいいでしょう。



出資するなら米国の上場企業

上場企業は監査機構がしっかりしていますので、不正は少ないです。また、特に米国の会社は株主第一ですから、多少無理してでも利益を出すし、出した利益も株主に大きく還元します。米国では「会社は株主のもの」なのです。

米国株長期投資家がどうしてROEを重視するか、ご理解いただけたでしょうか。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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