有料の「お通し」、世界の非常識

こんにちわ。かぶとたいぞうです。

少年のころ、大人のふりをして居酒屋に入り、はじめてお酒を飲みました。そんなことをしたら今では大問題ですよね。私が幼いころは何でもOKでした。

やや緊張したおももちで、張り紙に書かれたメニューから酒とつまみを注文しました。自分の計算では合計1000円以内でした。ポケットの中には1000円しか入っていませんでした。



「お通し」との出会い

酒を飲み終わって会計をしたら1200円と言われました。お金が足りません。パニックになり顔面蒼白。

事情を話そうか。他の客も見ているのに、金が無いなんて恥ずかしい。無銭飲食で警察に通報されたら年齢がバレる。どうしよう、どうしよう。

モジモジしていたら、居酒屋の店長が私の様子を察して「兄さんに恥をかかせるようなことはしないから」と言って、お代を受け取りませんでした。

私は真っ赤な顔をして店を出ました。顔面から火が出ました。体中から汗がどっと噴き出しました。ほんとうに恥ずかしかったのです(次の日、お金を払いに行き、私はその店の常連客になりました)。

後日先輩にその事を話したら、先輩は「それはお通し代が入っているからだよ」と教えてくれました。

「お通し」との初めての出会いでした。



「お通し」は大人の常識なのだと思いました。知らなかった自分が恥ずかしいのだと思いました。以来、私は居酒屋ではお通し代を払うという習慣に慣れました。

外国人観光客と居酒屋店主のトラブル

私が30歳ぐらいになったころ、始めて入る居酒屋で、外国人観光客と居酒屋の店主がモメている場面に遭遇しました。

私が店に入りカウンターに座り、何か注文しようと思ってメニューを見ていると、隣の初老の外国人が、なにやら騒いでいるのです。手には会計伝票を持っています。

店の主人は私に救いを求めてきました。「お通し」のことをこの外国人に説明して欲しいと言うのです。

そのころ私は既にたくさんの国を旅していました。日本の居酒屋の「お通し」とか、スナックの「チャージ」や「チャーム」は外国には無いことを知っていました。

私は外国人に「お通し」のシステムを説明しました。初老の旅人は英語をよく話すロシア人でした。

「ロシアには、そんな習慣はない。自分はお通しを頼んでない。頼んでないのにお金をとられるのはおかしい」

私と外国人のやりとりを見ていた居酒屋の店主は「こいつ、お通しを食ったんだ。食っておいて金を払わないなんて」と言って、小鉢を指差しました。小鉢には枝豆のカラが数枚入っていました。



「お通し」は日本の悪しき習慣、外国には無い悪いシステム

「お通し」のシステムを知らない外国人の立場に立って考えると、頼んでないものが出るのは無料サービスだと思うでしょう。親切心で出されたものを食べないのはむしろ失礼です。それほど食べたくなくても普通は食べると思います。

私もいろいろな国を旅しましたが、飲食店で注文した料理が出される前に、無料サービスでちょっとした料理が出る事はよくあります。中南米ではトルティーヤチップとサルサソースが始めから出ます。イタリアやフランスでも混んでいる店では待ち時間にちょっとした料理が出されます。でも、お金を取られたことは1度もありませんでした。

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私は居酒屋の店主が英語を理解できない事を利用して、初老のロシア人に本心を言いました。「日本の居酒屋のお通しは悪い習慣だ。世界の非常識だ。私も困っている。でもそれが日本の習慣なのだから仕方ないのだ。日本にもっと外国人が来るようになり日本が国際化すれば、いずれこのような悪い習慣は無くなるだろう」と。

初老のロシア人は「お通し代は払いたくないが、あなたの話を聞いて勉強になったから、勉強代として支払う」と言って、財布を取り出しました。

店主は私のほうを見て一瞬ニヤっとしましたが、私は店主の側には立ちたくないという表情で顔をそむけました。

あれから30年。日本もかなり国際化しました。私の住む札幌でも外国人が目につくようになりました。でも「お通し」の習慣はまだ残っています。

もうそろそろ「お通し」で金を取るのはやめたほうがいいのではないでしょうか。無料ならいいですけど。

あなたはどう思いますか。
ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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